こんにちは、司法書士の赤尾です。
6/24、ミネルヴァ法律事務所が破産したというニュースが飛び込み、
この事実は衝撃をもって伝えられました。
ミネルヴァは過払金請求や債務整理の手続きをメインに行っていて、
広告にも積極的だったことから知名度はかなりあったでしょうし、
また、弁護士法人が破産申立てを行ったという点でも相当インパクトのあるニュースでした。
ただ、同じ法律専門職からすると「とうとうきたな、この時が。。。」という気持ちでもいます。
過払金には消滅時効がありますが、
貸金業法の改正時期などの関連から、
過払金を請求できる機会は最盛期に比べると相当に少なくなっていました。
ところが、ミネルヴァは昨今においても、かなりの数の広告をうっており、
これらの広告費をペイすることは最早できないだろうと容易に予想できました。
さらに、広告代理店による乗っ取り疑惑も報じられておりますが、
これも前々から噂はありましたので。。。
もっとも、今回のミネルヴァ破産において一番気にかけるべきは依頼者の皆様です。
30億円あまりの過払金(つまり依頼者のお金)が広告代理店に流用されていたという疑惑も報じられています。
これから破産手続きのなかで様々な事実が明らかになるのでしょうが、
依頼者に戻すべき過払金が返却されないという可能性はかなり高いように思います。
「法人や会社は誰のものなのか」という答えのない議論は古くからありますが、
「誰のものか」よりも大事なのは、「誰のために」という点です。
そして、これには疑いようがない普遍的な答えがあります。
広告代理店に経営権を握られた挙句、
一番、守らなければならない依頼者の利益を毀損することなど決して許されません。
自分は誰のために職務を行っているのか、
その方々の利益に貢献できているか、
改めて認識する機会として、このニュースを受けとめています。