こんにちは、司法書士の赤尾です。
緊急事態宣言下において、「ハンコ出社」なる言葉も生まれている昨今、
竹本IT大臣とGMO代表の熊谷会長の発言によって、
ハンコの行く末に注目が集まっております。
ハンコ文化が、ビジネス上のオンライン化・IT化を大きく拒んできたことは紛れもない事実ですし、
熊谷会長の「印鑑を廃止します」という決断には強い意思を感じるとともに、
その影響力の凄まじさにも驚嘆しております。
一方、竹本大臣は世間から大いに批判されておりますが、
役所関係のデジタル化が一定程度進んでいるという点については、事実でもあります。
たとえば、登記については平成17年頃からオンライン化が推進されておりますし、
申請という点についてのみいえば、弊所でも98%はオンラインで行っていることから、
一定程度の成果は出ていると考えて良いと思います(ただ、諸外国に比べれば全然遅いです。)。
もっとも、すべての手続きがオンラインで完結できるわけではないのが難点で、
これを妨げているのが、まさにハンコ文化です。
この点、昨年12月に注目すべき改正が行われております。
これまで本人確認の担保として利用されてきた「会社代表印」の届出義務の廃止です。
ただし、これが適用される時期は明らかになっておらず、
今後約1年以内には決まることになっていますが、
その方向性について、ひどく混迷していた時期でもありました。
そんな中で飛び出した熊谷会長の発言。
個人的には、印鑑の廃止は是非とも実現してほしいところですし、
手続が効率化されることで、登記のコストもきっと抑えられるようになります。
少なくとも長期的にはハンコレスが既定路線なのは間違いないと思いますので、
であれば早めにこれを実現してもらいたいですし、
これを後押しする民間のパワーは何よりも心強いです。
10年後には、押印にノスタルジー感じるようになるのかもしれないですねー。